リアホナ 2005年6月号 教会外の友人と協力ししばしばチャペルコンサートを開催

    教会外の友人と協力ししばしばチャペルコンサートを開催

    漆原恵美子姉妹はソプラノ歌手である。短大を卒業,一旦社会人となるも,音楽の道を追究することを決意して東京芸術大学に入学する。卒業後,同大学の大学院を修了,国内外の幾つものコンクールで入賞を果たす。

    大きなホールでリサイタルを開くなど華やかな舞台に立つ一方で,漆原姉妹が地道に続けている活動がある。それは教会堂において無料で開くチャペルコンサートである。

    去る4月16日,東京・吉祥寺の教会堂でチャペルコンサートが開かれた。受付には簡単なプログラムが用意され,姉妹宣教師が来場者を迎えている。アッシャーは長老たちが務める。しかしそれ以外には普段の教会堂と変わるところはなく,前を通りかかっただけの人でも気軽に立ち寄れそうな親密な雰囲気のコンサートである。この日は賛美歌とオペラから抜粋された歌曲を数曲の1時間ほどのプログラム。オペラ歌曲は,漆原姉妹が1週間後に控えた大きなリサイタルで歌う曲だった。観客は30数人,贅沢なコンサートとなる。

    終演後,漆原姉妹のところに握手を求めてきた人々の中には「初めてオペラを聴きました」という年輩の女性もいる。「新鮮でした」と感想を述べる若い男性もいる。しかし漆原姉妹にとっては,大きなホールでも小さな礼拝堂でも人数や客層にかかわらず,聴衆とは常に,演奏する側のコンディションを如実に写す,ある意味で恐い「鏡」なのだという。

    「まだ自分の音楽に精いっぱいで,『末日聖徒』としての声楽家,というところまでは頭が回りません」と漆原姉妹は言うが,理想を言えば,と前置きして,「教会ではなく一般社会のいろいろな所に出て行って歌ったときに,聴いた人が『ちょっと違う』と感じて,調べてみたら末日聖徒だった,というのがいいですね。まず社会に通用することが前提です」と笑う。

    この日の共演者は大井哲也氏(バリトン),小俣貴弘氏(テノール),そしてピアノの大導寺錬太郎氏。小俣氏は東京芸大の学生,大井氏と大導寺氏は漆原姉妹と同様,東京芸大大学院出身の新進の音楽家である。漆原姉妹がチャペルコンサートを始めたとき,同窓のよしみで伴奏を依頼したのがきっかけで,大学の先輩後輩関係を通じての共演が続いている。「特に伝道しようと考えたわけではなく,自然に頼んでいました。」その彼らが礼拝堂で末日聖徒の賛美歌を演奏する。「歌詞の教義的な側面を説明はしませんが,彼らなりに読み込んで,イメージして歌っているのだと思います。」

    漆原姉妹は,音楽を媒体にして自分を開き,教会内外の様々な人と自然に繋がっていく。「ほら,音楽っていうのは人種とか言葉とか超えるじゃないですか。」このチャペルコンサートを「音楽を通じて何かを感じていただければと思ってやっています」と語る漆原姉妹。それは,聴衆に対しての言葉とも,共演してくれる友に対しての言葉とも感じられた。◆

    教会外の友人と協力し

    しばしば

    チャペルコンサートを

    開催

    春雨が新緑を静かに揺らす安息

    日。2005年5月1日,新築され

    た熊本ステーク大分ワードの

    教会堂に167人が集い,地域会長会から

    第一副会長のウィリアム・R・ワーカー長

    老を迎えて奉献式が執り行われた。落

    ち着いたレンガ色の壁,重い両開きの玄

    関の上には2階から3階まで飾りの入っ

    た大きなガラスがはめ込まれている。そ

    の上にある窓のついた尖塔

    せんとう

    は夜になる

    と四方に光を放ち,その姿はまるで小さ

    なカートランド神殿のようでひときわ目を

    引く。教会堂は社宅やマンションが建ち

    並ぶ大型団地の中にあり,大通りに面し

    ていて,通りすがりの人や信号待ちの車

    の中の人が一様に振り返って見る。「以

    前からいつが奉献式なのかなと思って

    通っていました」と,ほかの教会に所属

    する60代の女性が奉献式当日に教会を

    施設管理部オフィスにある標準建築プランの様々な模型。神殿のような

    外観が非常に印象的である。

    「音楽は人種や言葉を超える

    『共通言語』ですから」と語る

    漆原姉妹は,美しい音楽を通じて,

    教会内外の様々な人々と

    自然につながっていく。

    教会を開こう──Open the Church

    チャーチ・ニュース