メインナビゲーションをスキップする

準備しただけ,得るものがあります

準備しただけ,得るものがあります

for the strength of youth

for the strength of youth

あと1か月,あなたは何を準備しますか?─fsy地域アドバイザー 高橋精一兄弟

DSC_1713.JPG

2011年夏,青少年のためのプログラム「efy」 (especially for youth)が日本で初めて開催された。その当初からこのプログラムに携わっているfsy地域アドバイザーの高橋精一兄弟は,5年前のefyで経験したエピソードをこう語る。

efy京都セッション4日目の夜,当時アジア北地域会長であったゲーリー・E・スティーブンソン長老の管理の下,証会が開かれた。900人ほどの青少年が広いホールを埋め尽くしている。

「では皆様,証をしてください」

司会者が壇上から声をかけるやいなや,青少年が次々に立ち上がってたちまち長い列となり……最終的には約250人もの青少年が並んだ。どう見ても時間内に全員が証することはできない。セッションディレクターであった高橋兄弟は隣のスティーブンソン長老に小声で尋ねる。「どこかで切りますか?」スティーブンソン長老はしばし黙考し─やがて確信を得られたかのようにはっきりとこう返事された。

「いや,全員に証してもらいます。」

最後には司会者がマイクを持って青少年の列を回った。一人10秒の凝縮された証が続く。……集会時間は延びたものの,最終的には全員が証をすることができた。「そのどれもがすばらしい証で,本当に御霊があって」と高橋兄弟は振り返る。

ヘンリー・B・アイリング管長は,2003年春の総大会で,日本の教会の将来のビジョンをこう語った。「回復された福音の証を,出会う人々に熱心に語って聞かせる会員が著しく増える……その偉大な奇跡,大きな変化が……会員の心の中に起きることを確信しています。」※1

自分が教会員であることを学校の友達に言えない,世の中や友達と違うことが苦しい……20年ほど前,青少年の証にはこうした内容が多かったという。しかし現在は,「全体的に見るとそういう証は減ってきたかな」と高橋兄弟は見る。神様は生きておられる,キリストは救い主である,そういった信仰の核心を証する青少年が増えた印象があるという。「証だけとってみても,アイリング管長の言われた『心の変化』は起きていると思いますね。」 

_MG_3872a.jpg
_MG_4400.JPG
_MG_4736.JPG

青少年の五旬節の日   

efyの証会が終わった後のホールで,ある若い男性が号泣していた。高校3年生の彼は,証はしていないのに30分ほど声をあげて泣いていた。

その光景から高橋兄弟が連想したのは使徒行伝の一節─「五旬節の日がきて,みんなの者が一緒に集まっていると,……一同は聖霊に満たされ,御霊が語らせるままに,いろいろの他国の言葉で語り出した。……『神がこう仰せになる。終わりの時には,わたしの霊をすべての人に注ごう。そして,あなたがたのむすこ娘は預言をし,若者たちは幻を見,老人たちは夢を見るであろう。〔』〕」※2 神様の特別な御霊が注がれて,まさにこのようなことが青少年に起こったと感じた。

彼は,高校2年生頃までは部活に一所懸命で教会にはまったく来ていなかった。3年生になってポツリポツリと来るようになり,efyも,最初は行きたくないと言っていたのを,周りの人に説得されて参加することになったのだった。その彼が御霊に感じて泣いて,その後変わった。聖典も毎日読むようになり,安息日も守るようになった。彼は受験生だけれども,安息日には勉強をしないで主のために過ごすようになった。また,教会の掃除会で独り黙々と掃除をする姿も見られるようになった。

「だから今回のfsyも,ただ単にプログラムというよりは,日本の青少年に主が御霊を注ぐ機会を設けられたという,そんな感じをわたしは受けているんです。efyのときも,プログラムの場だけでそうなったのではなくて,普段のセミナリーや親御さんの教えや日曜日のレッスン,そういう準備がベースになっていたんですけれど。ただ,一つのきっかけとして特別な御霊が注がれたために,蓄積されたものが一気に表へ現れてきたという感じがしますね。」

準備しただけ霊の糧を受ける 

5年前のefyでは,とにかく青少年を送り込みさえすれば何とかなる,という捉え方も一部の親御さんや指導者の間で見られた。しかし今,高橋兄弟は提言する。「ただ単にfsyに行った方がいいよ,ではなく,準備として自分に何ができるのか自ら考えさせて,何らかの目標に向けて具体的に行動していくことが大事ですね。」

例えば,若い女性なら『成長するわたし』の体験やプロジェクト,アロン神権者なら『神への務め』の目標や活動を行う。あるいはセミナリーの旧約聖書の推奨箇所を完読する。また青少年がエリアプランの動詞(愛します,高めます,シンプルにします,励みます,強めます,招きます……)を実行する,家族歴史に携わる,神殿に参入する,日曜日の集会に教会外の友達を誘う……青少年に自ら考えさせて,目標を立てさせ,そのように具体的に行動するよう促していく。

「やっぱりfsyっていうのは,準備すればするほど,実際行ったときに大きなものを受けるのです。本当にいい経験をしたければよく準備をしなければ。そこを青少年に理解させて,『これからあなたは1か月間集中して何をしますか』と問いかける。別に特別なことでなくてもいいと思います。青少年がfsy参加をきっかけに何かに取り組んでいって,会場ですばらしい経験をすると,fsyの後で本当に彼らは大きく変わります。」

ずっと自分自身の中に蓄積されながら今まで意識していなかった神様の愛を感じ,親の愛,指導者の愛に気づく。そしてfsyで経験したことが,帰ってから,家庭やワードやステークにおける取り組みを変化させていく。「それらはfsyというプログラムのためではなく,最終的には,彼らが永遠の命に向けて大きく変わるためにやっているのです。ですから家に帰ってからが大事ですね」と高橋兄弟は言う。

「例えば家族歴史に携わる青少年が増えるとか,神殿に参入する青少年が増えるとか,セミナリーの修了者が増えていくとか,安息日に教会外のお友達,若い世代の求道者や訪問者が増えていくとか,そういうのが結果として現象として現れてくるようになったら……fsyはただ単なる一時的なお祭りではないので,やっぱり教会に変化が起きてほしいですね。」

青少年の主体性をどう発揮させるか

そして今年,名古屋ステークと名古屋東ステークでは,fsyに向けて新たな取り組みを行っている。それは,各ユニットから青少年を一人ずつ,「スペシャルサポーター」という責任に召すことだ。

ユースカンファレンスであれば,プログラムの企画から青少年が準備にかかわる。しかしfsyでは,プログラムの運営はYSAの指導者がしてくれる。だからこそ青少年が,準備されたプログラムに乗っかるだけのお客様になるのではなく,fsyへ主体的に参加するにはどうすればよいのかが問われている。スペシャルサポーターたちは集まって,fsyに向け自分たちにどのような準備ができるかを話し合っている。

高橋兄弟は,彼ら青少年が伝道調整集会に参加してみてはどうか?と提案した。宣教師に,青少年の年代の求道者がいるかどうかを尋ねて,もしいれば,レッスンに同席するなど,彼らと親しくなってsfyに招けるようにする。また,学校の友達を誘うことも考えている。そのためのちらしも作った。このようにして,エリアプランのキーワードの一つ「招きます」を実践するなら,彼らは主体的にこのfsyに参加することになる。─「実際のところは,教会外の親御さんが,教会の6日間の合宿にお子さんの参加を許可するかというと,何だか分からないからやめときなさいと言うケースが多いとは思います。ですから結果的に来られなくても,それはそれでいい。要は青少年がお友達を誘うことに意義があるんです。1回誘った友達については,fsyでなくても,例えば安息日の集会やセミナリーや,あるいはクリスマスの活動に招くというふうに繋がっていくと思うのです。そういうことを通して青少年たちが福音を友達に伝えていくという,まさにアイリング管長がおっしゃったようなビジョンが実現する……fsyは一つのきっかけにすぎないと思いますが,そんなふうになっていければと。」

現代の青少年の霊的な力

かつてefyのカウンセラーだった人の足が教会から遠のいた。efyのとき青少年だった子が伝道に行き,彼を訪ね励まして再び教会に集えるようにしたという。fsyは青少年と独身成人のためのプログラムだけれど,指導者や親が逆に強められることも十分に起こり得るのである。高橋兄弟はこう述懐する。「実際の話,efyやsmycを経験したからかもしれませんけど,自分の娘も含め,後から生まれてきた青少年たちの霊的な力を強く感じるんですね。だからおそらく前世では彼らはわたしの指導者だったのではないかと思うんですよ。……カンパニー※3の中にいろいろな子供たちがいますね。fsyによく備えてくる子も,そうでない子もいることでしょう。でもカンパニーに本当の意味での愛と一致があれば,それはもう,どんな状態の子であっても,そこで御霊を感じ,神様の愛を感じることはできると思います。」

そうした経験ができるように,5日間のプログラムが用意されている。家族以外の人と5日間,寝食を共にしてずっと一緒に過ごすという機会はなかなかない。そして,カンパニーの仲間たち,カウンセラーたちとの繋がりは一時的なものではない。5年前のefyでは,今に至るまで繋がりが続いているカンパニーもあるという。カンパニーの誰かが伝道に行く,結婚するといった報告が交わされ,皆でお祝いをしたり,リユニオン(同窓会)を開いたり,一緒に神殿に参入したりする。

今回のfsyではそうした動きを支援するため,各カンパニーごとに公式のfacebookグループを作り,fsy後にSNS※4で長く交流を続ける計画もある。

「以前,あるカウンセラーが言っていました。カンパニーを見ていて思ったけれど,日の栄えの王国の家族とはこういう感じではないかと。確かにfsyは理想的な家庭のシミュレーションなのかもしれません。そこは現実の世界とは違うけれども,fsyでの経験を終えて現実の世界に戻ったときに,fsyで感じた神様の愛と御霊が,今度は学校や家族やワードといった実際の生活の中に影響を与えていくことでしょう。」