リアホナ2014年10月号 現場の家族力をトレーニングする─リソースクラスの活用法

    現場の家族力をトレーニングする─リソースクラスの活用法

    (LDSファミリーサービス)

    自転車が走る原理や,その構造を教科書で幾ら学んだとしても,実際に乗って練習しなければ自転車を乗りこなせるようにはなりません。水泳やダンスを習うときも同じです。それは,良い家族関係を築くときにも言えることでしょう。

    リソースクラスは,地域福祉部のLDS ファミリーサービス日本事務局が開催サポートをする,親子関係や夫婦関係などの家族間において,また個人において起こり得る様々な社会的・精神的・情緒的問題を未然に防ぐためのプログラムです。クラスでは福音の原則を学び,それを生活へどう応用するか考察するだけに留まらず,実際の人間関係の現場でどのように実践したらよいかといったスキル(技術)をロールプレイング(役割演習)などの方法を通じて体験します。そして,家族や隣人と接する場で実践して取り入れていきます。

    害となるコミュニケーション

    子育て支援クラスの中のあるセッションでは,子供に対して害となる親のコミュニケーション方法の典型を幾つかリストアップします。このリストを素直な心で眺めて,自分がしていると自覚したら,それをやめ,救い主の模範の原則に基づくコミュニケーション方法へと置き換えていきます。そのとき親子関係や家庭に何が起こるでしょうか。

    ある子育て支援クラスが修了したときの参加者アンケートに,「実際に試してみた原則はありますか」との問いがあります。よく使われた原則と,それについての参加者からのコメントをご紹介します。

    ● 子供の話を,親の言葉で言い換えて,一旦受け入れてから,「ママは~と思う」という言い方で返す

    「日常,よく思い出して使っています。親も子も平安があります。」 「子供が変わってきているのを感じます。」

    ● ささいなことでも行いを褒める

    「おかげで助かったよ,うれしかったよ,と言うと,(子供が)とてもいい気持ちを感じてくれているのが見て取れる。これを繰り返すと,人を喜ばせることが自分の幸せ,という人生観を子供に持ってもらえるかも……」「中学の物品購入を一人で行かせることになり,てっきり一人で行ったと思い,そのことを褒めようとしたら,思いがけず兄について行ってもらったとのこと。上の子には一言も一緒に行くようには言ってなかったけど,二人を褒めることができて良かったです。」

    ● 自分で選択をさせる

    「強制でないので親も子も気持ちよく過ごせます。」 「選択の余地を与える質問も,『結局やらされるということやろ』と言われたときには黙ってしまいました。でも,そんなに悪い関係に発展することはありません。」 「モルモン書を読む目標に,なかなか取り組まなかった子が,自分で読むとやっと決め,夜の11 時半まで読んだ次の朝,『ラバンをやっつけたところ,おもしろかった』と言ったのには驚きました。」

    教会外の方に向けても

    昨年の東京国際ブックフェアに教会が出展したとき,800 人以上の来場者から無記名アンケートの回答を得ました。その中に「あなたが関心のあることは?」(複数回答可)という設問があり,20 の選択肢が示されます。集計の結果,1 位が「心や体の健康」。4 位と5 位がほぼ並んで「友達との関係」,「夫婦や親子の関係」でした。一般の日本人は,友達や家族との内輪の関係を大切にしており,ストレスのない良い人間関係を築きたいという根強い望みがあることが読み取れます。

    人間関係を良くする具体的な方法と訓練を提供するリソースクラスを,GOEIGO 英会話のように,教会員のみならず一般の近隣の方々へまで開放すればどうなるでしょうか。実は既に例があります。リソースクラスへ友人を誘った教会員はこう記しています。「教会外の友人に,教会の子育てセミナーがすごく良かったことを話していました。それで何人かの友達が興味を持ってくれました。……最終的には延べ10 人くらいの友達が一緒に学んでくれました。……神様のプログラムは教会外の人にも喜んでもらえるものだと改めて感じました。」

    参加された友人の方からは,講座修了後に以下のような感想が寄せられました。「最初はどのような方とご一緒するのか,どういった内容のセミナーなのかまったく分からず,少し不安と緊張の中,参加いたしました。でも実際,参加してみたら,当初の不安はまったく必要なく,参加されている方,皆さんとてもフレンドリーで明るく,ご自身の子育ての状況や起きた事件(笑)などたくさんのエピソードを交えながらお話ししてくださいました。我が家にも子供がいますのでとても共感できるお話も多く,普段改めて誰かに相談することもしないような小さな悩みも,『あ~! なるほど。それで良かったんだ』や,『そうか。そういうときはこう言ってあげたら良かったんだな』などと納得できたり,悩みが解消されることも多かったように思います。今回のセミナーに参加させていただいて本当に良かったと思います!」◆