リアホナ2013年4月号  2013年度の地域における福祉活動の強化

    2013年度の地域における福祉活動の強化

       (地域福祉部)

    非常事態への備えと対応③/3

    災害への対応

    災害が起きた後に最初にすることは落ち着くことです。パニックを起こさせないように心がけます。全員が無事かどうか必ず確認します。周囲を見回して,火事,ガス爆発,がれきの落下,切れた電線への接触などの二次災害の恐れがないかどうか確認します。負傷者の世話をします。状況を見極めます。大災害で生き残るということは,少なくとも食料,水,安全な場所,燃料が必要になります。たいてい3日以内には支援が来ますが,それ以上長い間,自分独りで生き延びる必要に迫られるときもあります。利用できるすべての貯蔵品を出して,非常時を乗り切るための計画を立ててください。健康な人はほかの人の安全を守り,必要を満たすために,立ち上がって援助してください。

    避難の心得

    場合によっては,洪水,津波,台風,その他の災害がやって来る前に,自治体が住民に避難勧告を出すことがあります。地震,その他の予測できない災害の場合には,災害発生後に避難命令が出ます。地元の関係当局の指示に従い,整然と避難してください。危険な場所がないかどうか常に注意してください。

    教会の集会所へ避難しないでください。だれもいない場合やドアに鍵がかかっている場合がほとんどです。たとえ中に入れたとしても,食料や毛布,その他の救援物資がありません。さらに,政府は教会の集会所には支援物資を送りません。集会所を避難所として使用するには自治体が教会に依頼する必要があります。

    避難所では,自分のことは自分でするようにして,進んでほかの人を助けます。自分または家族が特別な世話を必要とする場合には,そうした必要を避難所の担当者に必ず伝えておきます。また周囲にいる避難者にも伝え,問題が起こらないかどうか注意して見守り,助けてもらえるように頼んでおくのもよいでしょう。また周囲の人に関心といつでも助けるという姿勢を示すとよいでしょう。

    避難所等における生活が長期に及ぶことにより健康への影響が懸念されます。 生活・身の回りのことについては,温度管理(暑さ・寒さ),水分確保,食事のバランス,衛生面や屋内外の環境に配慮し体調維持に努めましょう。病気の予防については,避難所での集団生活となるため手洗い(可能であれば擦り込み式エタノール剤の使用が望ましい)の励行に心がけ感染症の予防に努めましょう。また発熱,咳がある場合は軽症であってもマスクの着用が望ましいです。心身の機能低下の予防や口腔ケアなども大切な要素となります。※1

    情緒面の対応

    災害に見舞われると,ほとんどの被災者はその影響を受けます。大部分の人が中度から重度のストレス反応を示します。大半の人にとっては,そうしたストレス反応は一過性のものですが,毎年,災害の起きた時期になると似たようなストレス反応が出ることがあります。ストレス反応には情緒的,身体的,認知的,行動的,霊的な反応があります。情緒的な反応としては,激しい恐怖感,不安,絶望,悲嘆,無気力,怒り,ショック,不信感などがあります。身体的な反応には,疲労,吐き気,チック(顔面などの筋肉のけいれん),めまい,発汗,胃腸の異常,どうき,手足のしびれ,息苦しさや過呼吸などが含まれます。認知的な反応とは,強迫観念,混乱,記憶喪失,優柔不断,集中力の欠如などです。行動的な反応とは,睡眠障害,過敏,涙もろくなる,引きこもりなどです。霊的な反応には,信仰の危機,神への怒り,根本的な宗教的信条への疑いなどが含まれるかもしれません。※2 身体的,精神的な持病が悪化するといった健康上の問題や,アルコールやその他の薬物使用の増加も,よく見られます。※3災害に対するストレス反応は個人によって異なりますが,状況によってはストレスの悪影響を受けやすくなることがあります。※4 例えば,親と離別した子供,家族や友達が亡くなったりまたは重傷を負った子供,負傷した人,地域とのつながりが薄い(引っ越しの多い)人,持病のある人,重度の精神病,身体的な障碍や病気,薬物乱用問題を抱えた人,妊娠している女性,乳幼児を抱えた母親,災害救助職員,多くの資産を失った人,異様な場面を見たり極度の生命の危険にさらされたりした人です。

    災害支援の専門家は,災害直後には次の原則が重要であると勧めています。安心感を与え,冷静になるよう助け,自己効力感(自分の手に届く範囲の物事に対応できるという自信)を強め,個人や家族,地域社会のきずなを深める,希望を持てるよう促すなどです。※5

    災害救援者のために,政府,その他の信頼できる機関が災害,その他の苦難に対処するための有益な手引きを出しています。このような手引きを携帯電話やコンピューターにダウンロードするか,または印刷しておくと,困ったときに役立つ情報となります。精神衛生やその他の早期救援支援者のために,研究や実地調査に基づき,災害に対応する有益な手法が作成されています。※6 災害救援者はこのような援助をすることにより,地域社会にとって貴重な人的資源になることができます。

    子供のための特別な世話

    不安や恐怖感に関連した行動を示すことは子供によく見られる傾向です。例えば,まとわりつく,眠れない,独りでトイレに行くのを怖がる,親から離れるのを怖がる,以前は怖くなかった物事を怖がるようになるなどの行動です。また,子供は自分にとっても異常に思えるような行動を示すことがよくあります。例えば,以前にできたことができなくなるなどです。子供が経験していることを話してもらい,感情を言葉に表すのを助けてあげると,子供が自分の経験を理解するのを助けることができます。次のようにして,子供に安心感を与えてください。子供を抱いたり,一緒にいるという安心感を与えたりしながら,安全な場所にいる場合には安全であることを,そうでない場合は安全な場所に行こうとしていることを伝えます。できるだけ,日々の日課を続けると,安定感や安心感を得ることができます。こうしたときに決してしかったり,いろんなことを強制的にさせたりしないでください。子供が愛され受け入れられていると感じるように助けてあげてください。

    まとめ

    災害は起こります。起きたときには,悲惨な結果をもたらすことがあります。けれども,過去の事例を通してこうしたときに,家族や地域社会,国が一致できることが分かります。人は,自分よりもほかの人の必要を考えることにより強められ,二度と会うことがないかもしれないだれかを慰めるために犠牲を払うときに,心が清められることがあります。備えをすることにより,いっそう効果的に,また迅速に助けられます。主はこう言っておられます。「すべての必要なものを用意しなさい。」(教義と聖約88 :119 )また,こう約束しておられます。「備えていれば恐れることはない。」(教義と聖約38 :30 )◆