リアホナ2012年12月 真の成長のために⑦

    真の成長のために⑦

      (青柳弘一長老)

    イエス・キリストの贖いを中心に、人の霊的な成長のエンジンサイクル(生活)が回り出す

    福音の主体とは

    十二使徒や中央幹部の皆さんはよく,家族を大切にしなさい,と言われます。この教会ほど家族を大切にすることを教えている教会はないだろうと思います。その背景には,救いは個人の事柄であり,昇栄は家族の事柄である,という教義があります。個人と家族が福音の主体になるんですね。

    救いを得るためには,自分自身が決心して,自分が主に従って,自分が熱心に聖典を学んで,自分が聖霊の導きを受けて,自分が悔い改めて,自分が喜びを得ていくことが非常に重要だと思うんですね(上図参照)。そして家族が昇栄を得るためには,夫婦,親子が,これをやっていかなくてはならない。ですから福音の主体というのは,結婚している人は家族ですし,独身の人は個人です。

    わたしも長い間,福音の主体は教会であるかのような誤解をしていました。例えば,わたしが若いときには,子供を毎週教会に連れて行けば教会がこの子に教えてくれる,そう理解していました。事実,初等協会の先生たちはほんとうに懇切丁寧に子供を教えてくれます。ありがたいことですが,これは教会の組織の役目(福音の主体である個人と家族を支援する)を果たしているにすぎないと思うんです。

    家族が,わたしたちの学んでいる福音の主体である─これは非常に重要な福音の教義です。自分自身が夫または妻であれば,自分と家族の昇栄は自分に責任がある,と。聖文には,夫婦は互いに結び合いなさい,完全に献身し合いなさい,という戒めがあります(手引き 第二部 教会の管理運営,1.3.1参照)。夫婦は,家族(夫婦および子供たち)が昇栄するための責任が自分たちにある,と自覚し,自分たちがそれを成し遂げる,と決意しなくてはなりません。救いは,自分たちの自由意志と選びによって決めていく事柄である,という自覚,その理解が深まらないと家族は強くならないと思います。

    【 福音の主体 】

    真珠と宝石箱のたとえ

    宝石箱=教会(組織)は個人と家族(福音の主体)を支援する

    真珠=福音の主体すなわち個人と家族,がイエス・キリストの贖いの力を受けて成長のサイクルを回すこと

    【 預言者の優先順位 】

    優先順位❶ 個人のエンジンサイクルを始動する → 生涯回り続ける(終わりまで堪え忍ぶ)→ 救い

    自分と神との関係を強める  主イエス・キリストが生きておられると確信

    <心の舞台を聖く保つ>※10月号 聖文,祈り,賛美歌,聖餐

    →御霊,主の愛,を感じ続けられる

    →常にエンジンが回る

    優先順位❷ 家族のエンジンサイクルを始動する → 生涯回り続ける(終わりまで堪え忍ぶ)→ 昇栄 >

    家族を強める  <家族で主の愛を感じ,霊的な体験を共有する>

    →家族に愛を示す(子供が御霊を感じられるよう仕える)※8月号

    →原則を教える

    →ともに奉仕活動をする……家族歴史・神殿,伝道

    優先順位❸ 兄弟姉妹のエンジンサイクルが始動し,回り続けるように助け,仕える

    兄弟愛を深める  <補助組織・定員会は個人と家族(救いの主体)を支援する>

    →会員・求道者に愛を示す(人が御霊を感じられるよう仕える)

    →原則を教える

    →教える者も教えられる者もともに喜ぶ

    数年前,十二使徒定員会のクエンティン・L・クック長老が日本に来られたとき,預言者の勧告する優先順位を守るように努力してください,と日本の指導者に話しました。

    1 番目に,「自分と神との関係を強めなさい。」これが日々,最優先するべきことだと言われました。そのために,熱心に祈り,聖典を学び,主の御霊をいつも自分に取り入れる,悔い改めて自分を聖める,そして聖霊の導きを受けて生活する。そうすると,いつも救い主がわたしたちのそばにいて,必要な啓示と助けを与えてくださる。主に対する信仰を強め,証を強めることになると思います(4ページの図を参照)。これが自分と神との関係を築くということです。そういう理解が非常に重要なのです。

    2番目の優先順位は「家族を強めなさい。」先ほど言ったように,教会の福音の中には二つの大きな部分があると思います。一つは個人と家族の部分。これは自分と自分の家族の救いに関する,または昇栄に関する柱です。ところがもう一つ,教会という組織の部分があります。組織は福音の主体にはなりません。主体はあくまでも個人と家族。そして個人と家族を強めるために教会の組織が助けるのです(5ページ上の図を参照)。ですからクック長老が言われた3番目の優先順位は,「定員会と会員の兄弟愛を深める」です。ビショップリックにしても長老定員会,大祭司グループにしても,扶助協会,若い女性,若い男性,初等協会,すべての組織は家族を強めるのを助けるために存在する組織,補助組織なのです。この理解もとても必要だと思います。

    そして4番目に「仕事と社会への貢献」が来るんですね。仕事が第一になりがちな日本の文化の中では,非常に難しい状況がありますけれど。

    福音の根本にあるもの

    この預言者の優先順位に従うためには,聖霊によってもっと深く福音を理解することがどうしても必要なんです。これがないと,形式的に第1に自分と神の関係,第2に家族,第3に兄弟愛と言っても,形だけになってくる可能性がありますね。

    わたしたちは,熱心に神の奥義を知りたいと求めて,神様を信頼して信仰をもって求めていかなければ,この奥義を理解することはできません(アルマ12:9参照)。ですから毎日時間を取って,熱心に祈りと聖典の勉強をすることが大切です。前(10月号掲載記事)に戻りますが,わたしたちの心,または知識の中にある悪いものを追い出して,聖典や機関誌(リアホナ)を読むことにより,神の善い言葉を心に蓄える,この努力が日々に必要だと思います。そうしたときに,主の御霊,聖霊の導きによってわたしたちは,神の奥義というものを理解していくだろうと思いますね。

    大元になるのは,ジョセフ・スミスが神様とイエス・キリストにまみえ,神様とイエス・キリストがあなたのために生きておられるという確信。これこそ,すべての人に最も必要な根本の理解であり,信仰だろうと思いますね。預言者の言う優先順位は,この確信に基づくのです。だからその確信が得られないと,預言者の優先順位は実行できないだろうと思います。

    神の奥義を知ることは多くの人に許されている。

    ……神の御言葉は,人の子らが神に寄せる

    注意力と熱意の度合いに応じて与えられる。

    (アルマ12:9)