リアホナ2008年8月号 香港教会事情

    香港教会事情

    香港の教会本部は香港島の灣仔地区にあり,周囲には政府やビジネスの主要な建物が立ち並ぶ。教会本部のビルの中には教会堂や家族歴史センターが入っている。香港の一等地に建てられているため,裕福な教会という印象を一般の香港人は感じているらしい。また報道の影響もあり,香港ではもっとも立派な教会の一つという印象も強い。また中国香港神殿は,香港島の対岸,九龍半島の九龍塘,歌和老街にあり,香港島中心部とは海底トンネルを通る地下鉄で結ばれている。ここは大学やキリスト教系私立学校の多い文教地区で,高級住宅街でもある。

    香港には現在約2万3,000人の教会員がいる。外国人と結婚して香港に滞在する日本人の会員もいるが,鈴木武徳兄弟のように家族全員が日本人という教会員の家族はいない(鈴木兄弟談)。香港は英語と広東語が公用語になっているが,ほとんどの場所で英語が通じるので広東語ができなくても不自由を感じることはない。若い宣教師たちは広東語を学んで伝道するが,年配の夫婦宣教師は英語だけで伝道している人もいる。

    香港はフィリピン人の家事労働者に対して保護的な受け入れ政策を行っている。現在,フィリピン人は香港で最も多い外国人滞在者になっており,人口比も中国人に次いで多い。香港では急速な経済成長に伴い女性の社会進出が進み,1980年以降,女性が労働市場で必要とされた。家事労働に従事していた中国人も労働市場へと流れたが,核家族による問題もあり,男性の育児や家事の分担では対応できない状況になっていた。また,託児所等の設立も進まなかったことから,外国人の家事労働者の受け入れを国の政策として開始した。外国人家事労働者の雇用に関する契約基準が定められ,雇用主による香港-フィリピン間の航空運賃の負担,最低賃金,週1回の休日の設定,有給休暇,医療給付,食事,衣服の提供,明確な契約条件などが規定されている。

    そうした政府の国策によって,フィリピン人,インドネシア人,ネパール人の外国人家事労働者(メイド)が多いので,外国人の改宗者が急激に増加している傾向にある。特にメイドとして働く人たちは,契約によって休日が異なるので,必ずしも日曜日が休みではない。そのため,香港では大管長会から特別な許可を受けて,平日も含むすべての日に,聖餐会を含めた3時間プログラムが行われている。夫婦宣教師で滞在している長老が管理をする中,多くの外国人が毎日教会に集っている。フィリピン人を含めた外国人の改宗者は,中国人をはるかに上回る数に達している。

    香港は国の理念として規制が少なく,税率も低いのでビジネスが活発に進められる場所として注目されている。女性の社会進出や文化の多様性が浸透していることもあり,男女平等の精神は定着している。また,キリスト教に対しても寛容に受け入れる風土があるが,香港社会が全般的に好景気で恵まれているために,宗教の必要性を感じない人も増えていると言われる。そのため,宣教師が教える求道者は中国人よりも外国人の方が多くなっている。

    また,中国本土からの工場排出物の影響のため,大気汚染予報は天気予報とともに欠かせない情報になっている。◆