リアホナ2008年4月号 ─豆知識③─ 学習方法を学ぶ

    ─豆知識③─ 学習方法を学ぶ

            (地域福祉部)

    マイケル・L・ロビンソン

     ユタ州刑務所内,末日聖徒カウンセリングスペシャリスト  アルパイン学区広報役兼記者

    小学校に上がる時点で,子供は驚くほど高い割合で障がいを持っています。といっても,従来の意味とは違うものです。精神的あるいは肉体的な障がいはないかもしれませんが,こうした子供たちは,物事の学び方を学んでこなかったというだけの理由で,学校の勉強をとてつもなく大変なものと感じています。実は,学習はそれ自体が一つの技術であり,事前に考え,練習し,経過をよく見守ることが必要です。親は,学習のこつに関する基本的な原則を理解することにより,また必要な時間をかけることをいとわずに集中して取り組むことにより,子供が学習能力というかけがえのない贈り物を手にする助けをすることができます。

    学習に関する問題は非常に多岐にわたっているため,子供が持つ潜在的な学習能力を高める単純な秘訣といったものはありません。

    しかし,就学前の子供を持つ親は,簡単な方法によって子供の理解力,視覚,聴覚の発達を促すことができます。この方法について話す前に,まずは教えることに関する基本的な原則をおさらいしましょう。

    まず,学習は主体的に行うものであって,受動的ではないことを覚えておきましょう。知識は人から与えられるものではなく,自らの経験を通して得るものです。子供が世の中にある様々なものの形や大きさ,色を,五感を使ってある程度自由に体験することができなければ,子供の学習能力は損なわれてしまうかもしれません。ですので,母親は30分おきに,なべやフライパンを戸棚にしまったり,壊れやすいアクセサリーなどを手の届かない場所に置いたり,何度も掃除したりして疲れたりいらだったりさせられるかもしれません。もちろんすべてを子供の望みどおりにさせてよいという意味ではありません。しかし子供は探検することにより,自由に伴う責任,つまり世の中には因果関係があり,物事には順序や秩序があって,選択には結果が伴うということについて学ぶことができるでしょう。

    第2に,楽しんで学べるようにしてください。いつの間にか人は学習と苦役を同義語であると考えるようになってしまいました。しかし真実はその逆です。子供は,楽しんでいるときにこそより速く,より効果的に学びます。子供が休み時間のお手玉遊びを通して学ぶ算数の知識は,授業中に九九を覚えることに引けを取らないと思います。ゲーム,視覚教材,校外学習や,ほかにも親まで熱中してしまうような活動は,学習を楽しいものにしてくれるでしょう。

    第3に,教えるときは五感のすべてを使わせましょう。物語を読んでやるときには絵を見せ,子供が文字を見ていれば指でなぞらせ,ふわふわの毛をした小猫がいたら,姿を見て声を聞くだけではなく触らせるのです。嗅覚,触覚,聴覚,味覚,視覚を総動員することは,子供が様々なものの概念を形成するうえで役に立ちます。

    第4に,詳しく説明し,ほかのものとの違いを指摘しましょう。子供は最初,物の細かい部分や違いを認識することができません。そこで,ただ野原にいる牛を指差すのではなく,「とうもろこし畑にいる,黄色と茶色のまだら模様の牛」というように説明してください。家の中で子供に何かさせるときには詳しい説明を加えてください。「このお皿は丸いけれども,テーブルは四角だね」とか「あなたの黒い靴を,自分のクロゼットのいちばん下の棚にしまってくれる?」などと言うのです。

    第5は恐らく最も大切なことですが,子供が成功するようにしてあげてください。失敗は学習の最大の敵です。うまくできたと子供が感じられる機会を与えましょう。ボールが受けられない子供には,まず枕まくらで練習します。靴を左右逆に履いてしまう子には,左の靴底に印を付け,より簡単に見分けられるようにしてあげましょう。

    これらの基本的な原則を一度頭に入れたら,いよいよ特定の学習分野を強化する活動を計画します。概念発達の分野では,靴下を片付けるような活動により,子供はものを分類することを学びます。食卓に料理を並べる手伝いをすると,ものの流れ(パターン)が分かります。簡単な料理を覚えると,順序の感覚が養われます。また,道具の片付けや草取りは,ものを見分けて整理する力をつけるうえで役立ちます。

    視覚という技能は,ものの大きさや形,色の違いを気づかせる活動により磨かれます。趣味で行うバードウォッチングや庭仕事などは格好の視覚活動です。スーパーで目当ての商品を探すことも視覚認識に役立ちます。塗り絵やお絵かきといった,視覚技能と運動技能を組み合わせた活動は,調整能力を高めるので特に有益です。

    家の中や近隣にあふれている様々な音は,子供の聴覚認識の発達に役立てることができます。「あれは玄関の呼び鈴の音?それともレンジのタイマーの音?」や「階段を上がって来るのはお父さん? それともお姉ちゃん?」といった質問をします。聴く力を伸ばすゲームを考えることもできます。例えば,子供に目隠しをして何人かのうちだれが話しているかを当てさせるのはその一例です。

    ほかの分野での成功にも必要ですが,上手に学べるよう子供を備えさせるためには時間と忍耐と愛が求められます。母親も父親も絶えず細やかな配慮をする必要があります。しかし報いは計り知れません。事実,その報いは永遠にわたるものなのです。◆