末日聖徒イエスキリスト教会(モルモン教)リアホナ2007年4月号News Box 十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老が来日

    News Box 十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老が来日

    ──日本各地でメッセージを伝える

    去る2月下旬,十二使徒定員会会員のリチャード・G・スコット長老が来日した。2月22日には広島伝道部の宣教師大会,その晩には広島の会員と特別集会が持たれた。翌23日には福岡伝道部の宣教師大会と会員との集会,24日から25日にかけて日本千葉ステーク大会を管理し,25日夕刻からは東京での特別集会に臨んだ。

    広島と福岡の特別集会では一般会員対象のメッセージが語られた。東京においては,これから伝道や結婚など,様々な選択を控えたシングルアダルトとヤングシングルアダルトに向けて具体的な勧告がなされた。

    (詳細は以下記事参照)

    従順について一般会員に語る──福岡におけるファイヤサイド

    2月23日,福岡会場で話を始めるに当たりスコット長老は,ヒンクレー大管長の人柄について触れた。生ける預言者であり芸術家・建築家・執筆家・宣教師・教師。また,教会を強め,わたしたちが会員として享受している様々なことを可能にした財政面における天才的能力。謙遜・祈りの模範。ユーモアにあふれ,教会始まって以来初めて主要なネットワークテレビのニュース番組に出演した預言者……。スコット長老はヒンクレー大管長をたたえ,預言者に愛を示すよう呼びかけた。

    またスコット長老は,多くのたとえや自身の経験を交えながら熱心に語った。

    「教会に来られる方の中には伝統を引きずっておられる方がいます。新しい方法を学ぶための忍耐に欠けているようです。もっと効果的な方法があるのにです。つまり古い伝統にこだわってしまっているのです。」スコット長老は話を進め,日本にはすばらしい伝統が多くあるが,中にはイエス・キリストの福音の教えに添わないものもある,と語った。主の教会の会員としてどのように伝統を扱うべきか。イエス・キリストの教えと合致し,教会の教えと調和するならばその伝統を大切にし,そうでないならばその伝統を捨ててほしい,とスコット長老は説く。捨てるべき伝統の一つとして,スコット長老は,アジアのある地域における,夫にすべての決定権があり,妻にはないという伝統を採り上げた。家庭において夫婦は対等の立場にあり,妻は子供とともに夫に愛されるべきである。また妻に対する愛や感謝の気持ちを,心で思うだけでなくぜひ言葉や態度に表してほしい。愛を分かち合うことにより家庭は幸せになる。そして人生において正しい選択をするならばわたしたちはイエス・キリストの教えを受け入れられるようになる,と勧告した。

    スコット長老は,12年前に伴侶を亡くして以来,毎週(神殿のない地域へ行くときは,前もって多く参入するなど工夫しながら)神殿に参入するようにしており,これはすばらしい祝福であると証する。「わたしにとってそれはほんとうに大変なことです。皆さんにぜひお伝えしなければならない一つの真理は,皆さんと同様に中央幹部にも問題はやってくるということです。どうぞ信仰を持ってください。そして自身のエンダウメントを受けてください。」

    「皆さんにお伝えしたいことは,天の御父は皆さんのことを愛しておられるということです。どうぞ聖文を読んでください。そしてそれに従った生活を送ってください。人生は悲しいことばかりではありません。喜びにあふれています。戒めに従った生活を送ることにより皆さんは幸せになれます。」

    姉妹が亡くなった後のある晩,スコット長老は姉妹を探し求める夢を見た。そこにはたくさんの人々がいて,姉妹の姿を見つけることができなかった。人々は言った。「奥さんのことを忘れなさい,忘れさせてあげましょう,もう探さないように。奥さんはあなたのことを求めていないし,必要ともしていない。」いっそ忘れさせてもらった方が楽だとも思われた。しかしスコット長老はそれを拒む。神殿で永遠の聖約を交わしているし,忘れることなどできない,絶対に見つける,と。──そこで目が覚めた。汗をかいていた。スコット長老はひざまずいて感謝の祈りをささげる。

    この悪夢からスコット長老が得たものは,従順によって正義の守りを受けるということであった。いかなる力も神殿の儀式の力を取り除くことはできない。わたしたちが従順であるならば永遠に天の御父と住むことができる。また悔い改めて過ちを正せることもわたしたちは知っている。「悪い力は善い人に働きかけることはできません。しかし別の人の心に入って(犯罪の被害者になるなど)不公平と思われる悪い経験をすることがあります。(虐待などで傷つけられた)あなたは悪くありません。祈りによってキリストを知り,キリストの贖いの力を知ることで,被害者と加害者の両方が救われる方法があります。」

    最後にスコット長老は,わたしたち一人一人にどのようなチャレンジがあるかは分からないと前置きしながらも,キリストについて個人的な証をした。

    「従順であり,キリストに対して信仰を持つならば,主が皆さんを助けてくださいます。皆さんに心の平安を感じていただきたい,幸福になっていただきたいと主は願っておられます。主は生きておられます。主は,冷たい大理石でできた像のようなものではありません。また主は,皆さんが一体何者か分からないくらい遠くに住んでおられる方でもないのです。イエス・キリストは皆さん一人一人を知っています。彼は復活を成し遂げられたお方です。表現しがたいほどの愛を皆さんに感じておられます。イエス・キリストはほんとうに生きておられます。そのことを知っています。皆さんが証を強められることを願っています。どうぞ主を信じてください。聖文を読むことによってキリストがどんなお方であるかを知ってください。」そしてスコット長老は,集まっている人々の上に祝福を願い求め,もし彼らが主に従順であり,戒めを守るならば,生活に必要なすべてのものが与えられるであろうと語られた。そしてこう語られた。「主の力によって皆さんは幸福な人生を送ることができます。なぜならば主は皆さんを愛し,助けたいと願っておられるからです。」スコット長老は,復活されたイエス・キリストに対する,力強く,個人的な証で会を閉じられた。

    人生の重大な決断について独身会員に語る──東京におけるファイヤサイド

    スコット長老は,2 月2 5 日の東京・渋谷における特別集会で,くつろいだ親密な雰囲気の中,自身の若いころの経験を紹介しつつ,伝道や結婚など,人生の大きな選択に直面しているシングルアダルトやヤングシングルアダルトたちへ率直に語りかけた。

    「何人かの方々はメモを取っていらっしゃいます。それは良いことですね。(しかし)メモを取るのは話されたことではなく,皆さんの心に訪れた天の導きを書いていただきたいのです。」救い主は個々人の必要が何であるか御存じなので,「皆さん一人一人にそれぞれのメッセージが来るだろうと思います。……わたしが話すことよりもそちらの方が重要です。」スコット長老は,個人が啓示を受けて決断することの大切さを話す。

    「人生において決断を下すには二つの方法があります。」その一つは,周りの人がどうしているかを気にして,同じようにするという方法である。それは「間違った方法です」とスコット長老は断言する。──「そうすることで他の人たち……に皆さんがついて行くことになるのです。……(他の人たちの)行く所は皆さんにとってあまり良くない所かもしれません。ほかの人がやっているからという理由で選択しないようにぜひお願いします。」決断を下す二つ目の方法は,救い主の教えに従うことです,とスコット長老は話し,個人の啓示を受ける方法について詳しく述べる。「天のお父様はわたしの祈りにこたえてくださいませんという方が時々いらっしゃいます。それはどのようにこたえてくださるかよく知らないからです。(第1に,)ほんとうに大切な祈りはなかなか答えが来ないことがよくあります。聞いてはくださいますが,そのときには答えを与えてくださらないんです。皆さんが必要なとき,いちばんふさわしいときにこたえられるのです。第2に,皆さんが望んだ答えを与えてくださるとは限りません。そして答えの全体ではなくて,部分的な答えを与えてくださることがあります。」スコット長老は,天の御父がしばしば少しだけ助けをお与えになり,それに基づいて行動するようお求めになることを説明された。そして

    実際に行動するときに,わたしたちはさらなる助けと答えを受けるのである。このように信仰を働かせ続けることで,天の御父はわたしたちの成長を助けることがおできになり,わたしたちは必要な答えをすべて受けることができる。

    「どのように正しい決断をするかについてお話ししました。つまりどういうふうに祈るのか。……何を祈るのかというのをきちんと考えるということです。祈りをこのようなシンボルを使ってお話ししましょう。……心に深く考えます。そして決断します。こういうサイクル(上写真参照)を回していきます。祈り,心に深く考え,決定する。その結果はどうなるかというと,望むことを天のお父様に求めるのではなく,天のお父様の御心を求めるという方向に自分が変わっていきます。天のお父様の御心を求めるとき,天のお父様は皆さんを助け,正しい決定が下せるように導いてくださるのです(モルモン書ヤコブ4:10参照)。」

    御霊の導きを受けて決断する

    「日本の習慣は分かりませんが,わたしたちの住んでいた所では10人の男性と10人の女性が一緒になって複数の形でデートします。それをハンギング・アウト(Hanging out)といいます。(特に目的もなく,何となく)一緒に出かけて行くというわけです。それは馬鹿らしいやり方です。……デートというのはお互いを知り合うためにあるのです。一人の人とデートして,それから別の人とするのはよくないと言う人がいます。姉妹たちにお伺いしますが,デートをしてそれがだめだったら,次の人とデートしてかまわないという人はどのくらいいらっしゃいますか。……(多くの人が手を挙げる)そのとおりです。それは正しいことです。皆さんにとって最適な人と結婚してください。そのためには結婚する前に相手の人をよく知ることが大切です。」そしてこう勧告した。「自分の夫,妻になる人を決めるにはしっかり見定める必要があります。皆さんが何をするかということを注意深く決めてください。」

    また,スコット長老は伝道について語り,正しい選択をするための最善の方法の一つは伝道に出ることであると語った。「伝道に出ると……導きを受ける方法を知ることができるのです。御霊の導きを受けることができれば,皆さんはそれを受けて正しい選択をすることができるようになります。」

    スコット長老は,若いころにワシントンD.C.で永遠の伴侶と出会ったときのことを語った。「皆さんに説明しなければなりませんが,わたしの生まれた家は父が教会員ではなく,母は教会から足が遠のいていました。わたしが成長するときに両親は伝道が大切だと教えてくれませんでした。神殿はそばになく,大陸を横断してソルトレークまで行かなければなりませんでした。神殿については何も知りませんでした。」大学を卒業して間もなく,すばらしい仕事の誘いを受けたスコット青年は決心し,姉妹にプロポーズする。「彼女はこう言いました。『わたしが結婚

    するときには帰還宣教師と神殿で結婚する』と。これからほんとうに大切な教訓をお伝えしたいと思います。よく理解してください。彼女はそのときこう言いました。『わたしたちは一緒にとても楽しい時を過ごしたわね。でもリチャード,わたしはあなたが人生で最も大切なことを理解しているかどうか分かりません,それが分からなかったら,わたしたちはもうこれから会うべきではないと思います。』彼女はそのデートから家に帰り,何度も泣いたというのを知ったのはずいぶん後になってからでした。彼女はわたしのことをほんとうに愛してくれていました。彼女は,人生の中のその時点でわたしが,彼女の望んでいるような夫,父親になれるということを確信できなかったのです。」スコット青年はビショップと話し,間もなくウルグアイへの伝道に召される。出発までの2か月半で姉妹の気持ちは和らぎ,婚約に同意してくれた。スコット長老の伝道中に姉妹も伝道に出て,長老が帰還して8日後に二人は神殿で結び固められた。信仰をそのまま行うことの力「わたしが伝道に出ると言ったときに,わたしの大学の教授が言いました。『伝道から戻ったら,もういい仕事はもらえないよ。今いい仕事があるならすぐそれに就きなさい。伝道なんてほかの人にさせておけばいいんだよ。』わたしが神様から宣教師として召されているという知識は彼にはまったくありませんでした。──わたしは伝道から戻りました。わたしには経験がなかったので,エンジニアとして大学を卒業したにもかかわらず,ウエスティングハウスファクトリーという工場で仕事を得ました。天のお父様はわたしが妻を支えていく必要があることをよく御存じでした。その仕事を始めてから数週間後,わたしの上司のオフィスの電話が鳴りました。わたしに特別な面接をするという誘いの電話でした。わたしが育ったワシントンD.C.での,原子力潜水艦のエンジニアリングに関する仕事です。わたしはその面接に出かけました。一つの仕事のために27人が面接に招かれていました。その一人一人が皆経験者でした。

    彼らが面接を受けているのを見ながらわたしにはチャンスがないと思いました。もう前の工場に戻るべきだと思いました。最後にわたしの面接になりました。面接をしてくれたのがそのプロジェクトの責任者の人でした。背はあまり高くなく,でも非常に力強い方でした。アメリカ合衆国議会から原子力潜水艦を建造する責任を受けた人です。わたしに非常に難しい質問を始めました。『卒業したときに君の成績はどれくらいだったんだね。』わたしはそういうことははっきり言いたくなかったので,まあ上から10%くらいですねと答えました。『スコット,上から何番目だったのかはっきり言いなさい。君の教育のためにだれが払ったのかね。車はあったのかね。奨学金はあったのか。だれに援助してもらったのか。』……わたしはその人に答えましたが,その答え方が良くなかったと思いました。ある質問に答えたときに,伝道が終わってから,という言葉を口にしました。すると『伝道って何だ』と突っ込まれました。それでわたしは気分を害したのです。伝道の経験はわたしにとって宝物のようなものでした。こんな仕事はもういらないと思いました。わたしの伝道についてその人からとやかく言われたくなかったのです。それからは質問されることに即座に返答していきました。

    『最後に読んだ本は何かね。』『モルモン書です』(会場に笑い)。……そんなやりとりをずっとして最後に部屋を出て行こうとしました。すると,『スコット,座りなさい。わたしのために働いてほしい』と言われたのです。『わたしは君のことをテストしていたんだよ。この仕事はとても大変な仕事だからね。』──主がどのような祝福を与えてくださるか皆さんに知っていただきたいのです。核分裂を起こす原子炉の上下運動するメカニズムを設計する責任が与えられ,システムの中でとても重要な部分を担当することになりました。ある日わたしは,そのプロジェクトに参加する人々のリストを見ていました。この人たちについて責任を持っていたのです。すると,かつてわたしに,『もういい仕事はもらえないよ』と言った教授の名前がそこにあったのです。彼はわたしより二つ下のレベルで働いているんです。

    戒めに従うことが大切です。信仰をそのまま実行してください。群衆の勧めに従うのではなくて,イエス・キリストの福音に従って生活してください。そうすることによって皆さんは祝福を受けることと思います。皆さんは御霊の導きを受けていらっしゃるからです。」

    サタンが破壊しようとする神聖なもの

    「主に信頼をおいてください。サタンは皆さんが御霊によって導かれることを好みません。サタンが若い人たちにどういう働きかけをするか見ておいてください。音の大きな音楽,点滅する照明,そして雰囲気,アルコールの刺激,そうしたものをサタンは使います。主の御霊について考えたり,感じたりすることができないようにします。御霊が心に届かないような手段をサタンは使うのです。そしてわたしたちのいろんな人との関係が悪くないのだと教えます。だれもがやっていることだから大丈夫だよと教えるのです。それは偽りです。皆さんがよく聞いてくださっているので,もう一つ原則をお伝えします。

    サタンは皆さんの,御霊によって導かれる能力を破壊しようとします。皆さん自身の身体を使ってそれをしようとします。わたしたち人間の身体は神聖なものです。生殖の力にかかわる身体の特定の部位は,神聖で個人的なものです。これらの部位は,慎み深い衣服で覆う必要があります。神聖に扱う必要があるのです。そこにはわたしたちの非常に強い思いが働いているのです。なぜかというと天のお父様の計画の一部だからです。……天のお父様はその生殖の力を非常に神聖なものと定められました。そのため,その力を発揮する場所を結婚の中においてのみと定められたのです。」サタンは結婚という聖約なしにそれを試させようとする。「わたしは幸福を求めてもらいたいと思いますから,皆さんに申し上げます。その思いを誘うようなことが起きたとき自分はどうするのかということを今決めてもらいたいと思います。わたしが皆さんに提案するルールは次のようなものです。何人なんぴとたりとも,結婚という聖約の囲いの外でその思いを目覚めさせてはならない。

    ……わたしたちの生活に不適切な映像,音楽,詩,そのようなものが決して入ることのないようにしていただきたい,わたしたちの中の神聖な部位に,伴侶以外の人が触れることがないようにしていただきたいと思います。……神殿で結び固めを受けたい,主が約束してくださっている祝福にふさわしい自分になりたい。でもそのリミット(限度)を越える人がいることをわたしは知っています。それが正しくなかったことに気づいたら,今すぐそれをやめてほしいと思います。それが重大な方向に行ったときにはビショップの助けを借りて悔い改めをしていただきたいと思います。」

    「今晩わたしは皆さんに本音を心から話させていただきました。若い男性女性一人一人にわたしは天からの祝福を呼び求めます。これからも皆さんが戒めに従って生活できますように。イエス・キリストの信仰,そして皆さんの働きが皆さんをこれからも助けてくださいますように。正しい決断を下すことができるように。主から導かれますように。皆さんが危険な所から遠ざかることができますように。何か間違ったことをしようと誘惑されるときにそこから離れることができますように。そうすることによって天のお父様と救い主が用意してくださっているすばらしい幸福にあずかることができますように願っています。」

    各地で話されたときと同様に,スコット長老は,主イエス・キリストと主の福音に対する証で会を閉じた。

    会に出席した人は皆,主の御霊によって高められ,正しいことを行い,忠実であるというさらなる望みを抱いたことだろう。名残を惜しまれながら,偉大な主の僕であるスコット長老は東京を去り,次の国へと向かったのである。◆