リアホナ2006年3月号「主はその思いと行いを見られる」

    「主はその思いと行いを見られる」

    ──モルモン書チャレンジにこたえた病身の母

    「2004年の暮れ,義父が病気のために亡くなったと知らされました。わたしは,自分の両親が生きている間に福音を伝えたいと強く心に感じ,毎日祈り続けていました。」

    北海道に住む福田弘子姉妹は,2005年の5月末に父親から,母親の様子がおかしい,との電話を受けた。1時間余りかけて実家の小樽へと帰り,病院へ連れて行ったその2日後に容態が急変,救急車で運ばれる。検査の結果,胆嚢炎と診断され,医師からは,「万が一のことがあるかもしれない」と告げられた。

    入院した翌週,福田姉妹は母親に,宣教師が来て話してもいいか,と尋ねる。その週から長老たちと病室でのレッスンが始まった。「母は素直でした。疑うこともなく,聞いたことやチャレンジにも自分でできることから始めていました。1週間後,4回目のレッスンを迎えるころから母の体に変化が現れてきました。24時間の点滴が外され,ご飯が食べられるようになったのです。母は教会に入ることを望みましたが,父は『離婚する』と言って反対しました。5回目のレッスンのときには足の点滴が外されていました。その1週間後には退院の許可が出ました。」

    6月下旬にいったん退院したものの,胆嚢炎の手術のためその1か月後には別の病院に入院することになる。手術は8月の半ばだった。ところが──

    「手術時の全身麻酔のため認知症がひどくなっていました。病院に行く度ひどくなっているのが分かり,死にたいとまで言い出し泣くなど,精神的に不安定になったので,8月末に退院させてもらいました。」

    自宅に戻ってからの母親は,食事のとき以外は寝たきりの生活だった。「父は,食事の支度,入浴の介助,洗濯などヘルパーを頼まず,できることはやっていました。教会の姉妹から,寝てばかりいると症状が悪くなることや,刺激を与えるといいと聞いて,すぐ父に電話で伝えました。わたしの家にも2回にわたり8日間泊まりました。4人の息子たちは,わたしが留守の間,介護したり,話しかけたり,車いすで散歩させたり,たこ焼きを作ってくれたり,笑わせたり,たくさんの愛と刺激を与えてくれました。単身赴任中の夫は,できるだけのことをしてあげなさい,といつも言ってわたしを支えてくれました。」

    母親が福田家に滞在している間に秋の総大会衛星放送があり,福田姉妹は母親を伴って2日間教会へ出かけた。モルモン書を読むというチャレンジについてよく語られた,その総大会の終わった日曜日に母親は小樽へと戻って行った。

    「その2週間後に母と会ったとき,会話が普通にできるくらい良くなっていて不思議に思いました。話をしていてその理由が分かりました。母はモルモン書を読んでいたのです。目も悪く,太陽の光でしか読めないので,ほんとうに少ししか読んでいないのに,主はその思いや行いを見て,深い憐れみと恵みを施してくださったのです。」介護中の母親の幻覚症状で精神的に疲れていた父親は,もし母親が良くなったらこの教会に入ってもいい,という許可をすでにくれていた。「母は,長男が伝道に出る前の2005年11月26日,家族に見守られて小樽でバプテスマを受けることができました。」

    福田姉妹は証する。「聖文は神の言葉であり,神の愛です。主は約束を必ず果たされる御方なので,まず神の国と神の義を求めることによって,必要な物はすべて与えられることを知っています。」◆