リアホナ 2006年3月号 モルモン書制覇──最高のクリスマスプレゼントを贈られて

    モルモン書制覇──最高のクリスマスプレゼントを贈られて

    熊本ステーク八代支部  林佐和子

    「モルモン書を読む競走をしようか」と,10月のある日,主人が持ちかけました。ステーク会長の訪問で,再度「ヒンクレー大管長のチャレンジをやりましょう」とお話ししてくださったからでした。主人は,毎日モルモン書を読むのが習慣なので,大管長のチャレンジはさして気にも留めていなかったのですが,ステーク会長のお話を聞いてきちんとチャレンジしようと改めて思ったそうです。

    「もし,あなたが勝ったら,何か一つ,あなたのやりたいことをしてあげてもいいよ」と続きました。わたしはすぐさま「旅行!」と答えました。それで,モルモン書を読む競走でわたしが主人に勝ったら,一泊二日の家族旅行をするということになりました。主人が勝ってもご褒美はありません。わたしにだけ有利な条件のようですが,主人は強敵です。彼はとても本を読むスピードが早く,わたしは,簡単な本でも主人より早く読んだことはありません。また,主人はもう数え切れないほどモルモン書を読んでおり,大体どのくらいの日数で読めるか把握していました。一方わたしは,モルモン書を最初からきちんと読んだのは恥ずかしながら片手で数えられる程度,後は虫食いのように読んでいました。まさに親鳥と雛鳥,あるいはウサギと亀の競走のようです。だからこそ彼も,わたしに有利な条件を提示してくれたのでした。

    さて,モルモン書を読むに当たり,ヒンクレー大管長のチャレンジをもう一度確認しました。「モルモン書を……今年中に全部読み終え……(ま)しょう。……実行するなら,皆さんの生活と家庭の中に,さらに豊かに主の御霊が注がれるようになるでしょう」──その約束を読んだときに,わたしはもう,とても感動しました。「家族に御霊が降り注がれるなんて,この世で買える物や,健康や何よりも,なんて尊くすばらしいものだろう。仮にどんな苦しいときでも,それさえあればとても平安で,すばらしい状態。それを頂けるとは!」と思いました。その約束を心から願い,大管長のチャレンジを行う決意をしました。もちろん預言者がおっしゃることなので,行なったときにそれを得られると信じており知っていましたけれど,どんな状態になるか自分でも試してみたかったのです。

    さて,主人とのモルモン書の競走が始まりましたが,最初の数週間……いや,1か月ほどは,主人にはとても勝てないと思っていました。少し頑張って読んでも,彼のほうがそれ以上に進み,差は開く一方です。もう,彼に勝つことは諦めましたけれど,そのころ自分の中にある変化が起こっていました。一つは,勝負に関係なくモルモン書をクリスマスまでに読むと決めたこと,もう一つは,毎日聖文を確実に読めるようになったことです。それは,わたしにとってとてもすばらしい習慣でした。聖文を読まなければならないと知っていても,忘れることがしばしばありました。しかし,これを始めてから,読まなければとても気持ちが悪く,一日の終わりに読まないで寝そうになったら,思い出し,モルモン書を手に取るようになりました。そして読むとき,祈るときに御霊がありました。それだけでとても平安でした。

    主人は仕事に出かけるけれど,わたしは専業主婦。子育てはあっても,使える時間は主人より数倍もあります。主人は,残業がとても増え,帰るのが毎日遅くなっていました。しかしそれでも差は開く一方です。彼とわたしは,同じモルモン書を使って競走していたので,わたしのしおりが進めば,彼のしおりはもっと進む,それがずっと続きました。そんな11月末,わたしは3,4日のうちに主人を追い越しました。勢いを増して毎日どんどん読み進み,忘れもしない12月1日,とうとうモルモン書を全部読んでしまいました。主人に勝った!──よくある映画で,弱いチームが強いチームを打ち負かしたような瞬間です。わたしは子供のように喜び,また主人もそれを喜んで「よく頑張った」と言ってくれました。わたしは一泊二日の家族旅行を手に入れたのです! けれどもそれで,我が家のモルモン書競走は終わり,ではありませんでした。

    さて主人も,忙しい間をかいくぐってモルモン書を読み終えました。ヒンクレー大管長が約束してくださった「家族に御霊が注がれる」という約束はどうだったでしょう。

    モルモン書を読んだすぐ後,目に見えた奇跡は起こらなかったけれど,我が家には霊的な奇跡が起こりました。まずわたしが,モルモン書を読み終えてからも聖文を毎日読む習慣が身に付きました。聖文を読めば祈ることも付いて来て,前より熱心に祈るようになりました。それはすごい奇跡です。何度となく毎日聖文を読むように努力してもなかなかできなかったわたしが,とてもスムーズに苦労なく聖文を読めるようになったのです。それだけで御霊がたくさん注がれます。すばらしい祝福です。また,わたしには必要以上に心配する癖があることを,わたしも感じ,主人も感じていました。その悪い癖が軽減され,それは思った以上にわたしの重荷を軽くしてくれました。また,ずっと前に借りていたものを返していないことに気づかされました。それを返したときほんとうにうれしく,わたしの重荷はどんどん軽くなりました。また,主人が系図を始めました。主人は系図にだけはなかなか腰が重かったのですが,モルモン書を読み終えて程なく系図をさっと始めました。以前進めていた系図は,パソコンが壊れてデータが失われ,取っておいたCD-ROMもなくなってしまっていました。どんなに探しても見つかりません。そのため,また一から系図をし直さなければならなくなっていたのです。

    主人が一から系図を始めた2日後,どんなに探しても見つからなかった主人の先祖の系図のCD-ROMが出てきました。主人は,「ただ,自分が系図を始めるのを天のお父様が待っておられ,それをご覧になってCD-ROMを出してくださったのだ」と言いました。系図をまたきちんと調べ直せることは,我が家に御霊が注がれている何よりの証拠です。

    ヒンクレー大管長が約束してくださった「家族に御霊が注がれる」ということは,想像以上の祝福でした。確かに,それが我が家に成就したことを証します。また,それは天のお父様から,わたしたち家族に贈られた,最高のクリスマスプレゼントでした。◆