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ヘンリー・B・アイリング管長 2009年9月

モルモン書から

見よ、わたしはあなたを精錬し、苦難の炉の中であなたを選んだからである。

モルモン書 第1ニーファイ20:10

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ミズーリ州のモルモン教徒,イスラム教徒の隣人に教会を開放する
2011年 4月 11日(月曜日) 21:33

2011年3月2日水曜日, ダン・ラスコン

ソルトレーク・シティーの東,1,300マイル(約2,000キロ)に位置するミズーリ州セントルイスにあるモスクでは,午後7時45分きっかりに,8時の祈りを知らせる合図が聞こえてくる。すると,一人,また一人と礼拝する人々が集まり,肩が触れ合うほどに部屋にぎっしり並んで立つ。

この人たちはイスラム教徒である。イスラム教では1日に5回祈ることになっている。

「神に祈りをささげています。まず立ち上がって神をたたえ,次にひれ伏して神をたたえます。」セントルイスにおけるイスラムの指導者であるムフティ・ミンハフディンは言う。

コーランと呼ばれるイスラム教の経典は6,600節からなり,信者たちはそれらを預言者モハメッドが神から直接受けた啓示であると信じている。

「わたしたちは神の預言者を信じています。また,神が世界をお造りになり,時代を超えて預言者を遣わしてくださったことを信じています。その預言者たちは啓示を受け,人類にわたしたちの存在の意味を教えたのです」とミンハフディンは説明する。

翌日の午後1時,同じ祈りの合図が鳴る。しかしそれはモスクからではなく,なんと,セントルイスから西に25分ほど離れたミズーリ州セントチャールズにある末日聖徒の教会から聞こえてくるのだ。

そして礼拝しようとその体育館に入っていくのは末日聖徒ではなく,イスラム教徒である。15人から30人のイスラム教徒が毎週金曜日になると,神に呼びかける祈りをささげるためここに集まってくるのだ。

「金曜日午後の祈りはわたしたちにとって非常に大切です。ちょうど〔クリスチャン〕が日曜日に集まるのと同じです。」こう話すのはセントチャールズのイスラム教指導者,マグブール・カーンだ。「イスラム教徒にとって金曜日の礼拝に集まることは非常に重要なのです。」

このような状況が生まれたのはすべて,セントチャールズの宗教者協議会の一員として他宗教との連帯に関わっている末日聖徒のデボラ・コフィーの尽力の結果である。

「わたしはこの状況を変だとも,不快だとも思いませんでした」とコフィーは言う。

数年前,イスラム指導者から,金曜日の礼拝場所を提供してほしいという要請がセントチャールズ宗教者協議会に出されたとき,

デボラは自分のステーク会長であるテリー・スレザクに相談をもちかけた。

「それを聞いたとき,よい機会だと思い,ためらいはありませんでした。彼らは祈るために集まる場所を求めていました。わたしには,もしこれが自分たちだったら,と思えたのです。教会に十分な力がなくて建物がない。でも祈りたい。そんなときだれかが助けの手を差し伸べてくれることを望むだろうと思いました」とスレザクは語る。

コフィーも言う。「実際,彼らがわたしたちの教会に気兼ねなく来てもらえるのは光栄なことだと思いました。」

セントルイスは魅力的な都市である。イリノイ州との州境であるミシシッピ川の端に位置するこの都市は,ゲートウェイ・アーチと呼ばれる高さ,幅ともに630フィート(192メートル)の目を見張る建造物があることでよく知られている。この大都市圏には約7万5,000人のイスラム教徒と,1万4,000人のモルモン教徒が住んでいる。

セントチャールズのイスラム教徒は増えつつある会員に対応するため,今は末日聖徒の教会を礼拝の場としているが,いつかはそこからほど近い場所にモスクを立てることを望んでいる。

セントチャールズにおけるモスク建設の日程はまだ決まっていない。現在は用地買収を進めている段階であり,建物が建つまでまだしばらく時間がかかるだろう。

末日聖徒の教会によると,イスラム教の礼拝場所として教会を使用する期間は限定されていないという。

こうした配慮がなされる前,セントチャールズで彼らが使える唯一の場所はナディーム・ファルーキの自宅だった。すばらしい家だったが,金曜日の礼拝には狭すぎた。

「ここは実際は我が家の居間なのです。この地域の全員が礼拝するには狭すぎます」とファルーキは言う。

こういう訳で,彼らはクローゼットから祈とう用の敷物を取り出し,それを末日聖徒の教会の体育館に敷き,靴を脱ぐと,30分の礼拝行事が始まる。

モルモンにとって体育館は通常,バスケットボールなど親睦活動の場所である。そこに何もないことが,イスラム教徒の気に入っている点である。他の部屋にあるような長いすも説教台も,イエス・キリストの絵もない。

これまで何度か,体育館が末日聖徒の集会に使われたことがあった。そのとき彼らは初等協会の部屋を使い,その部屋にあるイエス・キリストの絵にカバーをかけて礼拝を行った。

イスラム教徒はイエス・キリストが偉大な預言者であったと信じているが,クリスチャンのように神の御子であるとは信じていない。だが,少なくともセントチャールズでは,だれが何を信じているかはこの二つの宗教にとって重要なことではない。

「わたしたちは伝道するつもりはありませんし,彼らも伝道するつもりはないのです。これは伝道するための道具では決してなくて,純粋に友情の道具で,友情を育てるためなのです。」コフィーはこう語る。

カーンはこう言っている。「コーランは聖書と同じようにたくさんの良いことを教えています。人を傷つけるようなことをするようには教えていません。」

そういうわけで,イスラム教徒は毎週教会に来て神をたたえ,礼拝の場所があることを神に感謝している。

「彼らはとても善良で,とても良い人たちです。礼儀正しくて,協力的です。ほんとうに良い人たちです。」イスラム教徒のミル・アシフはそう話す。

カーンは言う。「わたしたちに広い場所があることは祝福です。わたしたちに扉を開けてくれたモルモン教会に,神のお恵みがありますように。わたしたちは大変満足しており,とても幸せです。神は彼らに報いてくださるでしょう。」